シニアとよばれて

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2010年 05月 18日

退社した彼は崖っぷちで全てをかけていた

 40才手前でリストラされた彼は実は遡る事2年の間、出社拒否で通院しながら自宅療養していた。
 「自宅療養」
 聞こえは良いが実際は陰鬱な時間を狭い部屋で自己否定と戦い、常に負続けていた。
 復帰を果たそうと何度も重い心を引き摺り、周りの期待がやがて黙殺に変わっている事を承知し、それでも尚、出社したがあくる日には断念する事を繰りかえした。
 妻は支え続けたが常に信じていた訳ではなくあきらめてしまった事、そして思いかえしたことも数限りない。
 
 そしてリストラ、「こんな事してはいられない」と「少し」思った。
 職業安定所は信用できなかった、年齢の事、資格が無い事が障害というより不可能という評定を下したのみで係員はアルカイックの壷絵に似た笑顔を向け、可能性の無い就職口のリストをペラペラめくるだけだった。
 自分は何をしたいか、人生で初めて真剣に考え、ある職種一本に絞り、会社訪問を「40手前顔(ズラ)下げて」続けた。自分でもみっともない社会的負け組みのオッサンだと自覚したが、そんな事言ってられない、と気づかないうちに心の何処かで居直っていた。
 そして一件、採用するとの打診をしてきた企業があった。

 誰でも知っている有名企業、しかし契約社員、営業職、強烈なノルマが提示された、先の見通しもましてや出世などは期待できるはずも無い、が、そこに就職を決め、2ヶ月がたった。
 
 そんな彼が僕に連絡をくれた、下請け業者を紹介して欲しいからという事だった。

 3時間程話をしてそんなことを聞いていたが、そのうち彼の表情が豊かで俗に言う「イキイキ」している事に気づいた。
 「なんかココに居たときと比べて人がかわったね」
 「ええ、崖っぷちですから」と笑顔で答えた。

 それに比べて僕は何もしていない「劣等感」に苛まれた、この「ヌルイ」会社にいて何も発起させてはいない、「ああ、あの時は何でも出来たのに!」と後悔するのだろうか?と。 
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by nunuyoshi | 2010-05-18 01:54 | しごとのこと | Comments(0)


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