シニアとよばれて

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2008年 08月 18日

「The Mist 」この映画はどうにも許せない

 映画公開も一段落して、「映画史上かつてない、震撼のラスト15分」とか
宣伝ぶちあげて期待感を煽っていたが、見ると全くどうしようもない(というか)
許せない映画だった。

 感想の前に、前提として私はkingのファンである、何故かと言うと
彼のストーリーテラーとして「恐怖を創る」手腕は驚異的だからだ。

 その「恐怖を創る」手法とは日常を丹念に積み上げ、そこに非日常を
「擦り寄らせる」のだ。
 擦り寄った非日常は日常を揺さぶり強烈な不安となる、それは
「我らが共有していると思い、ヨリドコロとしていた」物の外皮をそぎ落とし
その正体を白日に晒してしまう絶望にも似ている。

 そんなことは彼のファンであれば常識であろうし、それを映像とリズムが限定される
「映画」の原作として採用され続ける「挑戦の対象」なのも納得できるが、ハードルは
とても高い。

 そんな中、タラボン三度目の正直「The Mist」なのだが、まず開始早々
湖畔の一軒家の主人公の家が嵐に遭い、庭の木が倒れて
家の窓を叩き割る。
映画では何かの不吉なことの始まりを暗示するようなエピソードとして
処理されているが、原作では主人公が後々まで
その事を心配し続けることになる

「妻は大丈夫だろうか、テラスの窓が割れて開いたままだ」と。

 開始早々からそういった大切な「仕掛け」を消化出来ぬまま物語は説明っぽく進んだ

スーパーのオネイちゃんはダレ?
仲が良くなりかけていた理知的なお隣さんは早々スーパーを出てゆくだけ?
何で薬局行くの?
なにより置いてきた奥さん心配じゃないの?

 等と気になることはそのままに後半突入、そして、私を震撼させた事が起こった。

 それは主人公が息子とスーパーで不安な中ひと時の睡眠を取ろうとしたときの事だ。
突然、主人公の子供(息子)が言うのだ

「おとうさん、大切なお願いがあるの、怪物に僕を殺させないで」

 …は?? ああ邦訳が間違っているのかな?「~僕は怪物に殺されるの?」とかか?
こんなセリフ原作にあったか?いやなかった…。

 
 そして驚愕のラスト。

 ココのところからネタバレになります。
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意を決して主人公と息子、他に3人計5人でスーパーから自動車に乗り込み、脱出する。
何処までも続く霧、あちこちに異形の生物が現れ、襲われそうになりながら何故か
何の説明もなく主人公の家に直行、妻の骸を車内から目視で確認してから
他の町に向かう一行。
 とうとうガソリンが切れ、給油する事もせず立ち往生する。
手には4発残った拳銃が一丁、結果として彼(主人公)は自分以外の同行者を
(息子含め)とうとう同意の内に手に掛けてしまう。

 その直後霧は晴れ、軍隊が異形のもの達を駆除しながら現れる。

 慟哭。
 終わり。

 何が許せないかと言うと
子殺しを事前に子供側から『許させている』ことだ。
これから行うであろう罪をされる側が荷を軽くするかのように!

 こんなバカな物語に変えたオマエは万死に値する!
 なんにでも理由がいるのか?子供を殺してしまうときでも
「そういえば、オマエは殺していいっていったよな」ってか?

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by nunuyoshi | 2008-08-18 02:34 | 映画のココロ


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